こんにちはベテランテニスのブログ管理人のフォアスラです。ビリージンキングカップ国別対抗戦で優勝を狙える位置にいることをご存じですか?
4月11日~13日東京の有明で、ファイナル予選が行われました。ルーマニア、カナダに勝ちファイナル進出。昨年も優勝したイタリアにあと一歩の負けでのベスト8なので、現実的な目標になっています。
予選開幕前に初選出の伊藤あおいや選出メンバーを記載した記事を上げました。一番注目していたのは杉山監督の采配です。
日本の中でシングルスランキング3位の柴原瑛菜を2戦ともシングルス先発させます。カナダ戦ではシングルスで負けたにもかかわらず、1-1で迎えた勝負のダブルスで青山修子/ 柴原瑛菜ペアに変更して勝負に臨みました。
結果は見事ファイナルセットで勝ち切り、ファイナル進出。伊藤あおい押しのフォアスラですが、完璧で納得の采配でした。
本日はビリージンキングカップ国別対抗戦予選を杉山監督のマネジメントを中心に解説します。日本代表が強くなり、応援する選手が増えるとテニスが楽しくなりますね。ぜひ参考にしてください。
ビリージンキングカップ国別対抗戦予選
2025年のファイナル予選は3ヵ国による6グループ(計18ヵ国)でラウンドロビン(総当たり戦)を実施。それぞれの対戦は、シングルス2試合とダブルス1試合で争われ、予選でグループ1位になった6ヵ国と、2024年優勝のイタリア、そしてファイナルのホスト国である中国の計8ヵ国が9月のファイナルに出場。
ファイナル予選は日本がグループAのホスト国に。ルーマニアとカナダと対戦します。日本は大阪なおみを招集できませんでしたが、初選出の伊藤あおいを含むほぼベストメンバー。
昨年スペインのマラガで行われた大会では優勝したイタリアに惜しくも負けベスト8。
杉山愛監督の就任
現役時代は伊達公子と並ぶ日本女子テニス界のレジェンド。引退後もクラブ経営やジュニア育成に貢献しており、2023年代表監督に就任

杉山愛監督の経歴
- WTAランキングのキャリアハイ:シングルス8位、ダブルス1位
- グランドスラムダブルス優勝3回、混合ダブルス優勝1回
- グランドスラムシングルス連続出場の当時ギネス記録(62大会)
ロジャーフェデラーに抜かれる - 日本人初のシングルスとダブルスの同時世界トップ10入り
シングルス、ダブルスとも並行して素晴らしい成績。さらにグランスラム連続出場や天候条件で1日にシングルス、ダブルスの準決勝・決勝を実施した体力メンタルの持ち主です(総計時間は6時間18分、総ゲーム数は108ゲーム、10セットにも達する壮絶なもので、WTAツアーで女子選手が1日にこなした試合時間、総ゲーム数、総セット共に史上最長最多)。
23年度より国別対抗戦であるビリー・ジーン・キング・カップ日本代表監督
就任当初より優勝を目指すと公言。当時の周りはあまり信じられていなかった。しかし、昨年ベスト8、今年もファイナル進出でベスト8以上を到達しており、現実的な目標になっています。
選手時代ダブルスでは頂点を極めましたが、シングルスへの思い入れが強かったそうです。トップ10を目指すとし、実際トップ10になっています。
しかし、選手時代なぜトップを目指さなかったのかを後悔していたらしく、監督では優勝を目指すと自ら公言、選手や周りもその気にさせています。

監督のマネジメント
杉山監督は選手としての実績からカリスマもありますが、マネジメント力あります。また長く世界のトップで戦っていた経験から、海外のビップや主催者、選手とも交流があり、堪能な英語でコミュニケーションができています。
また、下記にわたるよう代表監督のミッションは重責です
- 選手の招へい・・・大阪なおみ選手のようなトップ選手の招へい。代表を魅力的なものとし代表争いを熾烈にさせる
- 日本テニス協会との協調・・・テニスはWTAツアーが優先になるので、開催日程、開催地誘致、スポンサーなど協会と歩調を合わせなければいけません
- 代表マネジメント・・・国別対抗戦の勝利。相手の分析、オーダー戦略、育成
ビリー・ジーン・キング・カップ、ファイナル予選
ルーマニア戦
既にカナダに3連敗しており、ベストメンバーではないため日本の方が有利です。しかし、杉山監督は選手のホームでの緊張があるとしてベストな布陣で臨みました。
チーム一丸とするには伊藤あおい選手をここで使うことも考えられましたが、昨年ファイナルで2勝している度胸のある柴原瑛菜を先鋒に。しっかり勝利します。
日本のエースだけどやや安定感の弱い内島萌夏を2戦目に。ややもたつきながら勝利します。勝利を確定しダブルスの青山・穂積ペアでかっちり3勝します。
伊藤あおい押しのフォアスラですがこのオーダーは納得です。やはり伊藤あおい選手は代表で戦う実力、メンタル、責任感が他の選手より劣っていたので、ここは代表招集に留めたと思われます。

カナダ戦
2023年のチャンピオンですが、ランキング上位選手が辞退したためベストメンバーがそろっていません。キーとなるのはV・ムボコ選手です。実は昨年11月の大会で伊藤あおいは勝っています。しかし、V・ムボコ選手はそこから実力を上げてきておりエース格としてチームを引っ張る存在。
杉山監督は柴原瑛菜を当てました。3セットファイナルまでもつれますが、惜しくも負けてしまいます。おそらく誰を当てても負ける可能性が高かったと。
2戦目は内島萌夏が危なげなく勝利し、1-1で最後のダブルスにかかってきます。
そこで青山・穂積ペアのオーダーから青山修子/ 柴原瑛菜ペアに変更して勝負に臨みます。負けたものの素晴らしい試合をした柴原瑛菜なら勝てると思ったのでしょう。
青山修子/ 柴原瑛菜はもともとペアを組んでおり、おそらく現時点のダブルス日本最強です。青山はポーチやストローク・リターンは良いですがサービスが弱くブレークされやすいです。一方、柴原のサーブは女子では抜けておりサービスゲームが安心できます。
一つ懸念は体力でした。本人に確認し急遽オーダー変更。2セット目こそ取られましたが、終始リードしており勝負のダブルスで決めてくれました。
この戦いから見送られた、穂積や伊藤あおいも納得だと思います。

今後ファイナルに向けて
- 大阪なおみを招へいしてもらいベストメンバーで
- 伊藤あおいの奮起を期待、その他、石井さやかなど若手も代表争いに加わってほしい
- 青山、柴原、穂積に加え、23年全仏混合優勝の加藤未唯にもチャンスあり
まとめ
- 杉山監督は代表監督として優勝を目指すだけでなく、協会や世界の首脳陣とコミュニケーションしていただき、日本テニス界を盛り上げてほしい
- 代表監督として完璧で納得の采配!ぜひ優勝してほしい。
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